筋肉は束状の筋肉組織が集まってできています。 私たちは、筋肉によって自由に身体を動かすことができているというのはご存じですよね。 では、なぜストレッチが身体全体の健康にとって大切なのかを学んでみましょう。
それぞれの筋肉には特定の機能があり、それらは大きく分けて次の3つの種類に分けられます。
心筋
– 心臓とその周辺の筋肉は心筋と呼ばれます。これらの筋肉は心臓を動かし血液を押し出す重要な働きがあります。
平滑筋
– これらの筋肉は血管、腸、子宮などの臓器の壁を構成しています。また、目の内部構造にも見られます。食べものを胃から腸に送ったり、瞳孔を閉じたり開いたり、いわゆる身体の中にある臓器の働きを維持する筋肉です。
骨格筋
– 大抵の場合「筋肉」というと、一般的にはこの骨格筋をイメージしますね。身体の筋肉の大部分を占め、関節や骨格をスムーズに動かすために使われる筋肉です。骨格筋は、腱によって骨(時には皮膚)にくっ付けられています。
心筋と平滑筋は、自分の意志とは関係なく働くもので、その動きをコントロールすることはできません。一方、骨格筋は自分でコントロールして操ることができます。
ストレッチの利点
筋肉を伸ばすことにはたくさんの利点があります。デスクワークなどで座っている時間が長い人にとっては、特に重要です。長時間座っていると、姿勢や柔軟性に深刻な影響を及ぼしますが、これらはストレッチエクササイズによって改善することができます。
血流を良くする
カリフォルニア大学のある研究チームによれば、ストレッチによる大きな利点のひとつは、血流が良くなることです。
循環する血液の量が増えれば、筋肉に届く栄養素の量も増加します。血流の増大は筋肉痛を和らげる効果もあると言われています。
多くのアスリートがトレーニングのあとにストレッチするのはこのためです。
筋肉の柔軟性を保つ
筋肉は動かさないと、柔軟性を失います。そうなれば筋肉の可動域と運動能力は制限されることになります。
関節の可動範囲を最大限に維持する
ストレッチは関節の健康を保つ上で大切だということはよく知られています。
関節が動く範囲が広がれば、もっと効率よく筋肉を動かせることになり、ケガの予防にもつながるからです。
痛い筋肉痙攣を緩和する
スポーツ中や立ちっぱなしのときなど、筋肉をたくさん動かしたり長時間同じ体勢でいたりすると、筋肉痙攣を引き起こすことがあります。
一般的には「足がつる」「こむらがえり」と言いますが、これは筋肉が急激に収縮するときに起こります。痙攣は無意識の状態で突然起こるため、痙攣が起きている筋肉を動かすのは困難です。ストレッチエクササイズは痙攣を予防、軽減させる上で効果的な方法のひとつです。
筋肉の緊張をほぐす
ストレッチは筋肉を緩めるのにも効果があります。緊張する場面で身体がこわばったり、肩に力が入ってしまった経験はありませんか?
人はストレスを感じた時、筋肉を強く緊張させる傾向があります。無意識のうちに筋肉を緊張させることは、ストレスに直面した時に起きる自然な防御機能です。ストレッチは筋肉を緩ませ、気持ちを落ち着かせることができるのでこれらの反応を緩和させることができます。
効果的なストレッチをするために気をつけること:
- しっかり伸ばしてキープする
15~60秒伸ばした状態をキープする。次のエクササイズに移る前に3・4回繰り返す。 - 硬くなった筋肉をほぐす
身体を動かしやすくなり、残りのエクサイズがやりやすくなります。 - 反動をつけない
反動をつけると筋肉が裂けて瘢痕(はんこん)組織が形成される原因になります。じっくりゆっくり伸ばしましょう。 - 体の調子に合わせる
ケガをしているときはゆっくりと行い、既に弱っている筋肉をさらに痛めるような無理な負荷をかけないようにしましょう。 - 身体を冷やさない
ケガのリスクを増やす可能性があるので、筋肉が冷えた状態で行わないようにしましょう。ストレッチの前に、5分間のウォーキングやジョギングなどをして筋肉を温めましょう。 - 意識する
背中、脚、肩、首などの主要な筋肉群を意識しましょう。 - 息を止めない
ストレッチの間もしっかりと呼吸を続けましょう。 - 無理しない
痛みを感じたらすぐに動きを弱め筋肉を痛めないようにしましょう。
ストレッチは習慣的に行う必要があります。少なくとも週に2~3回、1回10分を目標にして筋肉の健康と柔軟性を保てるようにしましょう。